オイラー予想の反例

初めまして、resignaterと申します。

どうぞよしなに。

さて、グレブナー基底大好きbot(@groebner_basis)さんが好きな反例を募集していたので、挙げます。

133^5+110^5+84^5+27^5 =144^5

オイラー予想の反例です。オイラー予想というのはフェルマーの最終定理の拡張で、nを3以上の整数として、n-1個の正の整数のn乗の和で、ある整数のn乗と等しくなるものは存在しないとするもので、例えばw^4+x^4+y^4=z^4を満たす正の整数w、x、y、zとか、v^5+w^5+x^5+y^5=z^5を満たす正の整数v、w、x、y、zは存在しないとするものです。この定義は思考力を鍛える数学さん(オイラー予想の反例|思考力を鍛える数学)によるものです。別の場所(Euler's Sum of Powers Conjecture -- from Wolfram MathWorld)では「nを3以上の整数とするとき、ある正の整数のn乗を別の複数の正の整数のn乗の和で表すには、n個以上の正の整数が要る」と表現されてたりしますが、どのみち反証されているので関係ないといえば関係ない。

この反例について、144を求めさせる問題が1991年の日本数学オリンピックの予選で出されたらしいですね。

また、この反例を1966年に見つけたのがL.J.ランダーとT.R.パーキンという人で、その論文(http://www.ams.org/journals/bull/1966-72-06/S0002-9904-1966-11654-3/S0002-9904-1966-11654-3.pdf)がたった2文ということでたまにネットで話題になるようです。

もう少し続けます。

下って1986年にノーム・エルキーズによって発見されたn=4の時の反例、2682440^4+15365639^4+18796760^4=20615673^4も圧が強くて好きです。

ここまでくるとa^k_1+a^k_2+...+a^k_m=b^kを満たす正の整数a_ibが存在するときの条件とか気になりますよね。

もうちょっと拡張して、a^k_1+a^k_2+...+a^k_m=b^k_1+b^k_2+...+b^k_nを満たす正の整数a_i\not=b_jが存在するときの正の整数(k,m,n)が満たす条件とかいろいろ調べられてて、例えばランダー・パーキン・セルフリッジ予想 - Wikipediaなんかがあります。